僕から言葉を誘えない

ほんとはもっと一緒に遊びたい

AVCC2022『書くこと事欠くと兎角過酷』解説

申し訳ございません。SnaKeijijiです。

 

この記事では、私が「AnotherVision Countdown Calendar 2022」(AVCC2022)という企画に寄稿した記事『書くこと事欠くと兎角過酷』の解説を行います。

まだ読んでいない、あるいは忘れてしまったという方は

書くこと事欠くと兎角過酷 - AnotherVision Countdown Calendar 2022

から御覧ください。

 

なお、この記事自体は、現在進行中の企画「AnotherVision Countdown Calendar 2023」(AVCC2023)とは一切関係ないですし、AVCC2022の記事として認められているものでもないです。ご了承ください。

 

1. 構造把握

記事は罫線でブロック分けされています。ここでは順に、ブロック1、ブロック2……と呼ぶことにしましょう。

まず、ブロック1の内容について見ていきましょう。要約すると、「色々考えたけど書く価値のあるものが思いつかなかった。だけど締切は間近なのでどうしよう。そうだ、文章を増やす良い方法を思いついた!」ということのようです。

次に、ブロック2の内容についても見ていきましょう。要約すると、「色々考えたけど書く価値のあるものが思いつかなかった。だけど締切は間近なのでどうしよう。そうだ、文章を増やす良い方法を思いついた!」ということのようです。ブロック1と同じですね。

さらに、ブロック3、ブロック4……と読み進めていっても、文体こそ違うものの、全く同じことを述べていることがわかります。それでは、「良い方法」というのはこの無駄な繰り返しのことを指していたのでしょうか?

 

しかし、例えばブロック2にはこのような記述があります。

刹那、私に、ファニーでありセンテンスがn倍に増えるアイディアが湧いて出ました!!

流石に同じ内容の繰り返しを"ファニー"とは呼べないでしょう。従って、ここに何らかのギミックが仕込まれていると見ることができます。一体それはなんだったのでしょうか?

 

ここで、ブロック5に注目してみましょう。最初の自己紹介を引用します。

やあ。アナザーが3,3,3な、山縄だ。

前のブロックと対応させることで、なんとか「こんにちは。AnotherVision9期のSnaKeijiji(すねーく)です」という内容だと判断できます。しかし、単体では意味が通らないと言ってよい文章であり、全く制約がない状態でこの文章を書いたとは思えません。

そう、ここにはある「制約」が存在します。声に出して読んでみるとわかりやすいかもしれません。

 

ずばり、ブロック5における「制約」とは、「あ段の音のみで書くこと」でした。先程の文章で確かめてみると、「やあ、あなざあがさんさんさんな、やまなわだ。」となっており、たしかにこの「制約」を満たしています。

 

他のブロックについても、母音に注目することで「制約」が浮かび上がります。まとめると、以下の通りです。

ブロック1:すべての母音が使用できる

ブロック2:あ/い/う/え段のみ使用できる

ブロック3:あ/い/う段のみ使用できる

ブロック4:あ/い段のみ使用できる

ブロック5:あ段のみ使用できる

(なお、「ん」「っ」は母音がないと見做すので、すべてのブロックで使用できます。)

 

つまり、『書くこと事欠くと兎角過酷』では、この「制約」に気づき、各ブロックを読み比べて表現の変遷を味わった読者こそ、この記事を「"読んだ"」となります。おめでとうございます。

 

「"読んだ"」になれなかったという方のために、お気に入りの部分を各ブロックから引用しておきます。また、次のブロックになると使えなくなる文字には下線を付しています。

 

ブロック1

(この文章を書いている時点で、前日の午後4時です)

のぶんしかいているじてんで、ぜんじつのじです

 

ブロック2

(現在は、締切前日17時20分前)

んざいは、しきりんじつじゅうしちじにじっぷんま

 

ブロック3

(日は沈み、今に暗くなるなあ)

ひはしみ、いまになあ

 

ブロック4

(月輪は彼方山側から光り現さん)

ちりんはかなたやまがわからあらわさん

 

ブロック5

(やや、朝方だ!)

ややあさがただ

 

執筆中もしっかり時間が進み、締切に追われているようですね。(また、ブロックが進むたびに制約が厳しくなり、執筆に時間がかかっている様子も読み取れます。)

 

2. ブロック6

さて、この記事にはブロック5よりも下が存在します。存在するといっても余白だけですが、便宜上これをブロック6と名付けましょう。

先ほど判明したブロック1~5の「規則」から類推すると、ブロック6の「規則」は「すべての母音が使用不可」となりそうです。「ん」「っ」は依然使えるという見方もできますが、使える文字がたったの2種類では、あまりにも表現能力に乏しいので、諦めたのでしょう。そのため、何も書けることがないということを示すために、余白を置いたのではないでしょうか。

 

しかし、記事にはこんな記述がありました。

空白文字と改行で分量を盛ることも考えましたが、いくらなんでもそれは読者に対する無作法であろうと思い直します。

つまり、「意味のない余白を付け足していない」と言っています。しかし、実際のブロック6には余白が数十行存在しています。

 

さらに、こんな記述も見つかります。

そんな状況で私は、面白く、そして文章量を6倍に増やす方法を思いついたのです!

文章量は「6倍」になっているようです。しかし、現状ではブロック1~5の5つしか見つかっていません。

 

この2つの記述から、「ブロック6は意味のある文である」と考えられます。では、この内容を解読してみましょう。

 

まずは、空白部分をよく調べてみます。PCで選択するとわかりますが、実は改行だけではなく、スペースがいくつも書かれています。しかも、全角スペースと半角スペースが混ざっています。ここには何か意図がありそうです。

更に記事をよく見ると、URLに意味深な文字列が含まれていることに気づけます。通常、はてなブログの記事URLでは、/entry/の後に投稿時刻が並びますが、この記事ではavcc2022.hatenadiary.com/entry/fullwidthspacestotabsとなっています。ここから"full-width spaces to tabs"、つまり「全角スペースをタブにしろ」という指示が読み取れます。ブロック6をコピーし、word等のテキストエディタに貼り付け、適切な置換を行うことで、この指示を実行できます。

 

しかしながら、全角スペースをタブにしたところで、内容は未だ真っ白のままです。ここからはどう解釈すべきでしょうか?

 

ここで例えば、「半角スペースを"・"、タブを"ー"と変換し、モールス信号として読む」という方法を考えてみます。しかし、この場合はわざわざ全角スペースからタブへの変換を挟む必要がありません。したがって、この方法ではなさそうです。

同様に考えることで、「これ以上文字を置換することはない」という推測ができます。従って、ブロック6は「半角スペース+タブ+改行」で構成された状態のまま解釈すべきです。この推測は、解釈を進める上で大きな情報となります。

(厳密には半角スペースや改行も何かしらの文字に変換する可能性がありますが、少なくともタブはタブとして解釈すべきです。)

 

ここからは検索をする必要があります。「半角スペース」「タブ」「改行」の文字自体で、文章を表現できそうな方法がないでしょうか……?

 

かなり難易度は高いのですが、うまく検索すると「Whitespace」というプログラミング言語を見つけることができます。とてもざっくり説明すると、これはいわゆるプログラムを「半角スペース」「タブ」「改行」のみで記述する方法です。高難易度謎では何回か使われた事があるようなので、知っている人が居たかもしれません。

この方法であれば、ブロック6の内容を、これ以上置換することなく、「意味のある"文"」として解釈できそうです。

 

検索すればWhitespaceを実行してくれるサイトがいくつか出てくるので、そこで先ほど得た変換後の文章を実行してみましょう。すると、実行結果として以下の文字列が得られます。

 

thx4u plz QT me w/ #AVCC2022

この出力は「読んでくれてありがとう #AVCC2022のハッシュタグをつけて私のツイートを引用リツイートしてね」という指示として解釈できます。

 

つまり、『書くこと事欠くと兎角過酷』では、ブロック6を「意味のある"文"」として正しく捉えることに成功し、実際に私のツイートを#AVCC2022というハッシュタグとともに引用リツイートできた読者こそ、この記事を「最後まで"読んだ"」となります。本当におめでとうございます。

なお、当時の告知ツイートは既に削除してしまったため、この指示に従うことはできませんが、指示を出力することまでは現在も可能です。


やってみる方へのアドバイス

作業の過程で改行が脱落したり、余分なスペースが入ったりしやすいので、慎重に作業してください。
さらに、WindowsMacで改行コードが異なるので、混在しないように気をつけてください。一応どちらの環境でも正しく解読できることを確認しています。また、もしかしたらブラウザによっても何かが変わるかもしれないので、こちらで想定の表示が確認できているChromeまたはFirefoxでの閲覧をおすすめします。

 

 

これが『書くこと事欠くと兎角過酷』の全容です。リポグラム+高難易度謎(?)という重めの構成でした。タイトル通り、使える文字が減るといろいろ大変になりますね。Whitespaceはともかく、リポグラムを書くのはとても楽しいので、皆さんも挑戦してみてください。

 

以上です。ありがとうございました。

「対抗したい」「ばぶーって?」

※注意※ この企画は完遂できませんでした

 

申し訳ございません。SnaKeijijiです。

 

ついこの前に初投稿の記事を授かった(元気なおと海鼠子ですよ)と思っていたら、いつの間にか192日も経過していました。どうせ飽きるっていうことはシェンゲン協定ぐらい浅間通り(静岡市)なのでなんにも問題ないですね?

 

時刻は12月を回り、カレンダーも残りの31枚となりました*1が、みなさま~(いかがお過ごしでしょうか)。ここ数日ですっかり息が白くなるほどの寒さになってしまいましたね*2。常にマスクなので想像ですけど、ひぽひぽせーぜ。とうとう耐えかねて暖房を入れはじめましたが、銭を焚べる暖炉だと思うと怖くてすぐに切ってしまいますね。布団に潜ってガタガタ震える日々を送っています。後ろ手になって小指を結束バンド*3で留めて「シバリング!w」ってやる一発ギャグにも飽きてきました。いやー東京、いろいろ冷たい街だと聞いていましたがここまでとは。僕が裸族にジョブチェンジしたのも遠因ではあるんでしょうけれども。

 

さて、12月といえばクリスマス、クリスマスといえばアドベントカレンダーアドベントカレンダーといえばクリスマスコフレですよね!今年はロクシタンのやつを買いました。情緒を知らないので今日全部開けました。代わりにランチャームを詰めておいたので、忘れた頃(明日)に再開封しても、中身が醤油かソイソースかに気を取られてすり替えには気付かないでしょう。愚昧で良かった~!

 

……アドベントカレンダーの話をするつもりが、「といえば」で連想を繋ぎすぎてしまいました。小学生の頃のマジカルバナナ*4最強伝説が悪い方向に出てしまいました。残念です。小学校で実際に流行っていたのはめちゃギントンだったという嘘は置いておくとして、そう、アドベントカレンダーですよ。言うまでもなく転じた意味の方で、あるテーマに沿って毎日交代で記事を書く企画のことです。周囲でも幾つか進行していて、僕も参加を検討したのですが、リレー小説がエンディングを迎えた経験を持たない事に気づいて泣く泣く諦めました。泣きすぎて泣き屋になった。天職じゃんね。

 

でもやっぱりやりたかったので、一人でやることにしました。世界はそれを毎日投稿と呼ぶんだぜ。最初にも書いたとおりこの企画は完遂できませんでしたが、応援の程よろしくおねがいします。努力はしない。多分しないと思う。しないんじゃないかな。ま、(One Two Three Four  One Two Three Four……)大人になるほどDeDeDeはみ出しものですギャランドゥ レーザーを照射されてみたくなったので医療脱毛の無料カウンセリングに行ったら、隣にゾウリムシが座っててウケました。

 

以上です。ありがとうございました。

*1:まいにち修造を使っているので常に31枚ですが

*2:南半球在住の方への配慮を書いた表現でしたが、執筆年代を鑑み元の表現のまま掲載しております。

*3:手錠も持っていたが、新本格魔法少女りすかコスを入れていた段ボールごと没収された。

*4:バナナといったら与謝野鉄幹

「初めてで……」「だろうね」

申し訳ございません、SnaKeijijiです。

先日、知人のブログを読んでいる時、ふと「僕も価値観表明したーい!」という邪念が頭を擡げたので、「みんなやってるよ、大丈夫だよ」に唆される初心のごとく流れ流され、このブログを開設しました。

どうせ内輪で善意の共有または悪意の拡散しかされない弱小ブログですので、プロフィールや略歴等々は、「あなたが僕について今知っていることが、あなたが僕について知るべき全てのことである」というスタンスを取って非公表とします。唯一、ヒントを差し上げるとするならば、本名の総和は84です。x/6+x/12+x/7+5+x/2+4=xの解ですね。

さて、次の投稿以降で書く内容方針についてでも。基本的にはノンジャンルで思いついたことを書き散らすことになるでしょう。ピンからキリまで、揺り籠から墓場まで、おはようからおやすみまで、「ハッキング」から「今晩のおかず」まで。注意しておいてほしいのは、他のブログで専らコンテンツとされている、美麗な修辞、日常に裨益する情報、深甚なる洞察、小気味好い諧謔、などといったものは、ここに存在しません。あるのはただ、自己顕示と呼ぶには幼い、意味を持ってしまった文字の羅列のみです。

さて、それでも読み進めようとしている数奇者の皆様には、最大限の感謝を。いつまで続くかわかりませんが、御手柔らかにお願いします。

 

最後にサンプル小記事をいくつか書いておきます。

 

1.辛味が痛覚なら痛覚は辛味なのか検証してみた

皆様はこんなことを聞いたことがあります。曰く、「辛味とは痛覚であり、甘味や苦味といった味覚とは別の感覚である」。これを聞いたときに皆様はこう考えました。舌を意図的に傷つければ、辛いと感じるのでは?やってみましょう。

僕は自室からいつの間にか彫刻刀が消えていた(親の妥当な判断だと言わざるを得ない)という悲しい過去を背負っているので、手頃な刃物が包丁しかありませんでした。これでやっていきましょう。生肉切った後だけど大丈夫かな……。

「スプリットタンって知ってる?」にならないよう、刃に舌を慎重に当て、そこで包丁を固定。ここで舌を動かします。動かしました。

うーむ、何味かと聞かれたら圧倒的に鉄味ですよね。肝心の痛みも辛味とは全く別種。ただ痛いだけ。実験は失敗だ!

よく考えなくても、舌を噛んだときなんかに「辛っ!」って言ってる奴はいないわけで。じゃあ実験じゃなくて自傷じゃん。落とし所といたしましては、人には人のカプサイシン

 

2.とある女性向け街頭アンケート

Q1.彼氏とラブホの料金について一言。

A1.要求とサービスが釣り合ってなくない?

Q2.彼氏とラブホの料金の違いってなんでしたっけ?

A2.プライドが高いのが彼氏、プライスが高いのがラブホの料金。

Q3.彼氏とかけまして、ラブホの料金ととく。その心は?

A3.どちらも「彼女持ち」でしょう。

歪ですね。

 

3.芥川賞直木賞受賞作タイトルだけで手紙を書いてみたーい!

書きました。

 

『恋文』『ほかならぬ人へ』

『僕って何』『何者』『死んでいない者』『人世の阿呆』

『小さな貴婦人』『聖少女』『邂逅の森』『火花』『恋』
『生きる』『理由』『ファーストラヴ』

肩ごしの恋人』『光抱く友よ
『号泣する準備はできていた』『最終便に間に合えば』

サラバ!

 

 

 以上です。ありがとうございました。